【地方勤務】新入社員のクルマ購入法【最低限の基礎知識】

就職・新生活

 この記事では、自動車購入の際に「考えるべきこと」と「最低限の知識」について紹介します。特に就職後、工場での勤務となり、車が必要な地域で生活することとなった方の参考になればと思います。
 自動車は大きな買い物です。このため、世の中には自動車の購入に関する様々な情報が公開されています。「YouTube上の自動車のレビュー」、「自動車メーカーの作成するパンフレット」、「出版社による自動車の比較」などなどです。これらの情報を有効に活用することができれば、自分の望みに近い自動車を合理的に購入することができます。
 しかし、今まで自動車の購入を考えたことのなかった人にとっては、何が最低限必要な情報か分かりづらい側面があります。私も、何が最低限必要な情報であるか、判断できませんでした。そこで、この記事では、自動車購入の際に「考えるべきこと」と「最低限の知識」について紹介します。
 私のように、大学を卒業し就職した後、工場での勤務となり、車が必要な地域で生活することとなった方の参考になればと思います*1

自動車を購入することの意味

 自動車を購入する前に、まず考えないといけないことは””自動車を購入する目的””です。
 自動車の主な利点は、好きな時間帯やルートで高速な移動ができることです。これによって、「アウトドアな趣味」や「ドライブデート」、「遠方での買い物」、「旅行」「通勤」などが実現できます。現在市販されている自動車は、どれもこれらを実現できる性能を持っています。しかし、何を目的とするかによって、購入すべき車種は異なってきます。
 このため、まず自動車を購入したら何をしたいかをイメージすることが重要です。
 以下に、この記事全体の流れを示します。

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クルマ購入の流れのイメージ

買う車の決め方

 どのような目的で車を利用するかのイメージができたら、次にどのよう車を購入するかを決めます。
 ここでは、新入社員を含めて若手社員が購入を検討するであろう3種類の分類を紹介します。その分類とは、「軽自動車」、「コンパクトカー」、「コンパクトSUV」です。これらの3種に分類されるクルマは、比較的低価格で購入できます。このため若手社員にとっては、有力な選択肢となります。そこで、まずこれらを比較することによって、どのようにして購入するクルマを決定するかを紹介したいと思います。

軽自動車 v.s.コンパクトカーv.s.コンパクトSUV

 まず軽自動車、コンパクトカー、コンパクトSUVの代表的な車種を紹介します。イメージを持ってもらえたらと思います。
 軽自動車で有名なのは、ホンダ N-BOXです。

 コンパクトカーとしては、日産 ノートなどがあります。

 コンパクトSUVとしては、トヨタ ヤリスクロスなどがあります。

 軽自動車は、小型で車両の価格や維持費も低いという特徴があります。一方、コンパクトカーは、長距離の走行に向いており、ハイブリッドシステムの選択ができるといった特徴があります。コンパクトSUVは、コンパクトカーの特徴に加えて、車高が高く乗り込みやすい、悪路も走れるといった特徴があります。ただし、同じような大きさであっても、コンパクトSUVは、コンパクトカーよりも50万円程度、新車価格が高くなります。
 軽自動車、コンパクトカー、コンパクトSUVの比較を、まとめると次の2つの図のようなイメージとなります
 一つ目の図では、車のカテゴリーごとに、モテ(=女性受けが良いか)実用性(=通常使う際の利便性)コスト(=購入費や維持費)を比較しています。

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軽自動車、コンパクトカー、コンパクトSUVの比較

 まず、モテについてです。地方では、車を持っていないと移動の選択肢が非常に限られるため、モテる以前の問題であることが多いです。逆にいうと、車を所有することは、モテを考える上で重要です。
 私の体感では、以下の3点があると女性受けがよいようです*2。一つ目は「軽自動車でなく、普通車であること*3、二つ目は「コンパクトSUVなど、車高が高いこと*4、三つめは「ハイブリッドシステムを搭載していること*5です。

 次に、コストです。新車で購入する場合、軽自動車で200万円、コンパクトカーで250万円、コンパクトSUVで300万円程度の初期費用がかかります*6。軽自動車が一番安く購入できます。
 初期費用に加えて、保険料や駐車場代、燃料代などもコストとしてかかります。大雑把に年間の維持費は、軽自動車で20万円/年、コンパクトカーで30万円/年、コンパクトSUVで30万円/年程度となります。初期費用に加えて、軽自動車は、税制上の優遇や燃費の良さもあるため、維持費も安くなります。コンパクトカーとコンパクトSUVの維持費については、大きな違いは有りません。

 3つ目に、実用性です。実用性はどのカテゴリーの車であっても一長一短です。次の図で、この実用性が一長一短である点を説明したいと思います。

 次の図では、実用性を悪路街中居住性高速の4つに分類しています。どの項目も、車のカテゴリーごとに一長一短があります。また、各々の実用性を確認するためには、車のどの数値が重要かを紹介します。

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軽自動車、コンパクトカー、コンパクトSUVの実用性に関する比較のイメージ

 まず悪路についてです。日本の多くの道路は、きれいに舗装されています。このため、悪路走破性は、そこまで気にする必要はありません。しかし、降雪の多い地域やキャンプ地などで利用する場合は、悪路を走破する性能が重要となります。確認すべきポイントは、車高*7の高いこと四輪駆動であることです。
 コンパクトSUVは、車高が高く、オプションで四輪駆動を選択できます。このため、軽自動車やコンパクトカーと比較して、コンパクトSUVは悪路走破性が高いと言えます。

 二つ目の項目は、街中での走行です。片側一車線もないような街中や住宅街では、小回りのきく小さな車が便利です。車の全長や車の最小回転半径が小さいほど、街中での乗車に向いています。このため、軽自動車やコンパクトカーは街中での乗車に向いていると言えます。
 一方、ドライバーの目線が高いほうが歩行者を視認しやすく運転しやすいという観点からは、車高が高いためコンパクトSUVが有利です。また、街中ではブレーキを踏む機会が多いため、ハイブリッドカーの燃費向上効果が高まります。

 三つ目は、居住性です。長い時間の間、自動車に乗ることを考えると、車内の広さが重要となります。車内の広さは、車種によって大きく異なります*8。軽自動車やコンパクトカー、コンパクトSUVは、どれも車内は狭く居住性はよくありません。しかし、軽自動車は、箱のような形状で車内空間を大きくしていることが多いです。このため、軽自動車の居住性は良く感じることが多いです。

 四つ目は、高速道路で移動する際の性能です。軽自動車であっても高速道路は問題なく走れます。しかし、搭載できるエンジンの性能の観点からは、コンパクトカーやコンパクトSUVの方が高速道路での走行に向いています。また低重心である方が、走行時安定性が高くなります。コンパクトSUVは、悪路走破性を高くするために、車高が高くなっています。このため重心が低い分だけ、コンパクトカーの方が高速道路での移動に向いています。
 また現時点では、電気自動車を高速道路を用いた長距離移動の目的に購入することはオススメできません。
 以上のような観点から、コンパクトカーのように低重心かつエンジンの出力が一定以上ある車が高速道路を用いた走行に向いています。ただし最近では、半自動で高速道路を走行できる機能があるかどうかも非常に重要といえます。この機能があるだけで、長距離運転の疲労がかなり軽減されます。

どのような車種があるかを知る方法

 ここまでで車の使用方法をイメージした上で、どのようなカテゴリーの車を購入するすべきかを検討する方法を紹介しました。次に、それぞれのカテゴリーに属した車種を網羅的に確認する必要があります。どのような、車が市販されているかを知らないと、細かい点で車種ごとの比較が行えないためです。
 このような車種ごとの網羅的な確認のためには、モーターファンという雑誌の別冊である「〇〇のすべてシリーズ」がオススメです*9
 この「〇〇のすべてシリーズ」は、メーカーに関係なく日本で購入できる車を網羅的に紹介しています。このため、車の車種やグレード、価格、装備などを確認する際には、非常に役に立ちます*10

 このように網羅的に比較をすることで、どのような車種を購入するかの候補をイメージすることができます。具体的に購入を検討する車種のイメージが固まったら、ディーラーで実物のクルマを確認します。

ディーラーには二度行く

 検討する車種が決まったら、ディーラーに行きます。そこで実際のクルマを見たり見積もりをもらったりします。
 ディーラー(販売店)に行く目的は、主に2つ有ります。一つ目は「購入を検討している車種の、詳しい判断材料を得ること」です。二つ目は、「価格交渉を行い、購入する車種を決定すること」です。

ディーラー(販売店)の訪問(一回目)

 検討する車種を決めたら、一つ目の目的でディーラーに行きます。

 詳しい判断材料をえるために具体的には、次のようなことを行います。「クルマの見学をする」、「試乗をする」、「パンフレットをもらう*11」「グレードやオプションの説明を受ける」、「ざっくりとした見積もりを行ってもらう」。これらによって、検討する材料を増やします。この段階では、検討材料を増やすことが重要です。このため、見積もりを値引いてもらう必要はありません。

 気になる車種を販売する近くのディーラーは、できるだけ訪問します。これによって、購入の判断材料を手に入れます。

 さらに、判断材料が欲しい場合は、雑誌やYouTubeの評論を閲覧すると良いと思います。例えば、以下のようなYouTubeチャンネルが参考になります。

■ハンターチャンネル
 通常、日本の自動車の評論家のレビューはいい評価ばかりを取り上げることが多いです。そのような中で、このチャンネルでは率直なレビューが多くされており、非常に参考となります。

■LOVECARS!TV! 河口まなぶ
 分かりやすい評論がされています。自動車メーカーを過度に持ち上げるような評論も少なく感じます。

 このようにして材料が揃ったら、購入の候補となる車種、グレード、オプションが固まると思います。 次に行うのは、価格の交渉です。この交渉のために、再びディーラーを訪問します。  

ディーラー(販売店)の訪問(二回目)

 ディーラーを訪問してクルマを購入します。この際、ディーラーに行く前に、次の事項をおおよそ決めておきます。

 契約のためにディーラーに行く前に決めておくべき事項。「支払い方法(ローンの頭金の額など)」、「車種」、「グレード」、「オプション」。

 「納得する価格であれば契約するという意思」を伝えた上で、見積もりを依頼します。納得する見積もりが得られたら、契約を行います。
 ディーラーにおける値引額の目安については、月間自家用車という雑誌が参考となります。この雑誌には、車種ごとに値引きの目安が掲載されています。これによって、ディーラーの提示している値引きが妥当かどうかを確認できます。

月刊自家用車編集部

お金の支払い方法

 自動車は高価な買い物です。このため、様々な支払い方法が準備されています。大雑把に紹介します。詳細については、別のサイトを参照ください。

■現金一括⇒通常の買い物と同様に現金一括で購入します。
■ローン⇒分割払いを行います。金利がかかります。
■残クレ(残価設定ローン)⇒定められた期間で売却の必要があります。一方、その分支払金額が少なくなります。金利がかかります。複雑な制度です。
■カーリース⇒クルマを一定期間借ります。トヨタのkintoなど。

グレードとは?オプションとは?

 クルマの購入の際には、「車種」、「グレード」、「オプション」を決定する必要があります。選んだものによって購入するクルマの機能や価格が変わります。
 車種は、プリウス、アクア、カローラスポーツなど、クルマの種類を表します。
 グレードは、取捨選択できる複数の機能を一まとめにしたパッケージを表します。
 オプションは、取捨選択できる個別の機能を表します。このため、手間がないように、オプションをまとめてパッケージ化してくれたものがグレードとなります。

 オプションの中には、「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」があります。メーカーオプションは、ヘッドライトの種類やシートの種類など、自動車メーカーの工場で取り付けられるものに関するオプションです。一方、ディーラーオプションは、フロアマットやドライブレコーダーなどの販売店で取り付けられるものに関するオプションです。ディーラーオプションに限っては、納車後であっても追加で契約を行うことができます

自動車を契約してからやらないといけないこと

 自動車を購入してから行う必要があることを簡単にまとめています。参考にしていただければと思います。

納車予定日の連絡をうける

 ディーラーから、納車予定日の連絡を受けます。ディーラーは、自動車メーカーから出荷の連絡を受けてから、契約者に連絡を行います。このため、納車日のおよそ2~4週間前に、納車の可能な日が決定します。これを元に、実際にクルマを受け取りに行く日(納車日)を決定します。

駐車場の契約を行う

 納車日以降に利用ができるように駐車場の契約を行います。納車のためには、駐車場の所在地の情報(車庫証明)が必要です。このため、納車日を決定する前後には、駐車場の目途をつけておく必要があります。

自動車の任意保険に加入する

 納車日が分かったら、その日以降に加入できるように任意保険を契約します。納車日が分かる前から、契約内容については決定しておくことが無難です。

洗車用具の購入

 車を洗うための洗車用具はディーラーでそろえることができません。このため、カー用品店で購入する必要があります。
 最低限必要なのは、次の四点です。「バケツ」、「クルマ用洗剤」、「スポンジ」、「拭き上げ用のタオル」。特に、拭き上げ用のタオルは、いいものを購入したほうが洗車がスムーズに終わります。これら4点は、5,000円~10,000円あれば購入できます。

ハイブリッドシステムの利点

 ハイブリッドシステムの利点と欠点を、ガソリンエンジン単独のクルマと比較してまとめて置きます。これらをハイブリッドシステム搭載車の購入の検討の際に、参考としていただければと思います。

■利点
燃費がいい(単位走行距離あたりのガソリン消費量が少ない)
税制上の優遇が若干ある
先進的なイメージがありモテる(脱炭素化社会の流れもあるため)
■欠点
初期の購入費用が高い(20~30万円/台程度高い)

おわりに

 今回は、はじめてクルマを買う方向けに自動車の購入方法を紹介しました。自動車の購入は、大きな金額が関わります。私もクルマの購入を検討する際には、非常に悩むことが多かったです。今回の記事を、自動車の検討の際に参考にしていただけばうれしく思います。

*1:私が男のため、男目線の点があります。

*2:正確なデータは有りませんが、周囲の人の話を聞いた結果です。

*3:友人の彼氏など、知り合いの男性で軽自動車に乗っている人が少ないことが多いからのようです。

*4:車高が高いと、車に乗り降りしやすいようです。女性が乗っていることが多い軽自動車は、乗り降りがしやすいように座面がコンパクトSUVのように高いことが多いです。また、街中で歩行者よりも目線が高い点もいいそうです。

*5:トヨタやホンダ、日産がラインナップとして持っています。安い車には搭載されない点と、先進的な感じがする点がいいみたいです。

*6:もちろん車種やグレードにもよります。

*7:地面から、車の底面までの高さのこと。

*8:同じコンパクトカーであっても、ホンダフィットや日産ノートは車内が広いです。一方、トヨタヤリス、マツダデミオは狭いです。

*9:私も、車を購入する際には、「軽自動車のすべて」と「コンパクトカーのすべて」を利用して、車を比較する際の助けとしました。

*10:車と一緒に写真に写っている人物が女性であるため、車の大きさがイイメージしづらいのは欠点です。ただし、車の大きさはディーラーに行けば、実際に確認できます。

*11:パンフレットは、自動車メーカーのHPから郵送してもらうこともできます。

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