【電験2種】王道の学習法/参考書【電気系以外からも】

資格

この記事では、電験二種における王道の学習法*1を紹介します。

電気に関する仕事*2をしてる方には、電気関係の知識の習得を自己研鑽として行っている方が多いと思います。そして仕事や自己研鑽の中で、電験2種という資格を知った方も多いと思います。資格の名前を聞いたことあっても、電験2種の学習法は始めてみるまでイメージしづらい点があります。そこでこの記事では、それらがイメージできるように電験2種の王道の学習法を紹介します。また、その際に利用できる教科書やwebサイトを紹介します。


私は機械系の出身であり電気系出身ではありません。このため、電気系出身でないが電験2種取得を目指す方に特に参考になればと思います。

電験二種合格までの道筋とは?

そもそも、電験二種の合格までの道筋とはどのようなものなのでしょうか*4。下の図に、合格までの道筋のイメージをまとめています。

電験二種合格までの道筋

電験二種は一次試験と二次試験から構成されます。一次試験はマークシート式、二次試験は、記述式です。図に示しているように、一次試験の科目は「理論」「電力」「機械」「法規」です。また、二次試験の科目は「電力・管理」「機械・制御」です。二次試験の「電力・管理」は、一次試験の「電力」を記述形式としたような問題です。また同様に、二次試験の「機械・制御」は、一次試験の「機械」を記述形式としたような問題です。

また電験二種の二次試験は、文章での説明がメインの「論説問題」と計算がメインの「計算問題」の二つに分類されます。

次に、どのような知識があれば、電験二種に対応できるかを紹介します。

電験二種合格に必要な知識

電験二種合格には、各科目に対応した「電気回路」「電力工学」「電気機器」「電気関係法規」などの知識が必要です。
また「電気回路」の学習を「数学*5」なくして行うことはできません。このように、電験二種の合格に必要な知識には、階層性があります。

以上のことを加味して、必要な知識を分類し下の図にまとめました。実際には、各知識は複雑に関係します。例えば、電力の知識を身につけると、電気関係の法規を有機的に記憶できるようになります。

電験二種に合格に必要な知識のイメージ

電験二種合格までの学習法

過去問を中心に学習を進めることが、電験二種の合格に最も効率的な学習法です。

電験二種では、過去問の類題が多く出題されます。また、これらの類題を解答できれば十分、合格点にいたることができます。このように、電験二種の学習では、過去問を理解し解くことができるようになることが重要です。このため、電験二種の学習は、「①過去問演習の前の土台作り」と「②過去問の演習」の2つが中心となります。これらを元にした、具体的な学習法を下のイメージに示します。

電験二種合格までの学習法のイメージ

「①過去問演習前の土台作り」と「②過去問の演習」について紹介します。

①過去問演習前の土台作り

過去問演習の土台作りは、電験の学習で最も重要な部分です。しかし、電験二種には基礎固めるための参考書はありません。そのため、電験三種の参考書を用いて基礎固めをすることがオススメです。
また、電験三種の過去問をもちいて、基礎が定着したか確認することが重要です。電験三種の問題をスムーズに解けるようになれば、電験二種の過去問演習を無理なく行えるようになります。
市販の参考書としては、「TAC出版 みんなが欲しかったシリーズ 電験三種」や「エコテクノ出版 電験三種超入門シリーズ*6」がオススメです。特に電気系出身でない場合*7は、電気に関連する基礎知識がありません。このため、これらの本に書いてある内容も初めは中々理解が進みません。この先の電験二種の過去問演習を考えると、電気系の内容の理解のために辛抱して何度も何度も、これらの本を読むことが重要です*8。もし、これらの参考書を周回した後も、電験二種の過去問演習が難しく感じる場合は、「電気書院 電験二種二次試験これだけシリーズ」を活用するのがオススメです。

また、電験二種の過去問の理解には、電気回路の知識が欠かせません。そのため、過去問演習前に、ガッツリ電気回路の学習を行うことが重要です。「朝倉書店 エース電気回路理論入門」は、電験二種で求められる学部レベルの知識に対して必要十分であり、非常にオススメです。

②過去問の演習(一次試験)

過去問/解答は、電気技術者試験センターのホームページに公開されています。このため、このホームページを活用すれば、少ないコストで学習できます。
一方、市販の過去問集/問題集に特徴的な点は、分野毎に過去問をまとめられている点や詳しい解説がついている点です。このため、このような問題集の活用は、効率的な学習に欠かせません。

電験三種の問題を解くことができれば、電験二種一次試験の過去問演習を進めていくことができます。
市販の過去問集としては例えば、「電気書院 電験2種模範解答種」や「電気書院 〇〇の15年間 シリーズ」があります。このうち「〇〇の15年間 シリーズ」は、テーマ別に多くの問題に触れることができオススメです。

「電気書院 電験2種模範解答種」
5年分の過去問が掲載された標準的な過去問題集です。

「電気書院 〇〇の15年間 シリーズ」
科目ごとに販売されている。テーマ別に多くの問題に触れることができオススメ。

電験二種一次試験「法規」の学習の際には、電気関係の法規が手元にある便利です。このため、「オーム社 絵とき 電気設備技術基準・解釈 早わかり」、「オーム社 電気設備技術基準・解釈」、「オーム社 電気事業法関係法令集」などは役に立ちます*9

②過去問の演習(二次試験)

電験二種の参考書は、
電験二種の二次試験は、「論説問題」と「計算問題」といった形式によって、学習の進め方に違いがあります。
「論絶問題」の場合は、「電験三種」⇒「電験二種一次」⇒「電験二種論説」と進めることがオススメです。「論説問題」は、電験二種一次試験に出題される内容を記述することが主であるためです。
一方、「計算問題」については、「電験三種」⇒「電験二種計算」と進めることがオススメです。これは、電験二種一次試験では、あまり計算の問題が出題されないためです。

過去問集としては、「電気書院 電験二種模範解答集」があります。また、電験二種二次向け問題集の多くは、過去問をテーマ別にまとめ直したものとなっています。このため、問題集も過去問として利用できます。問題集としては「オーム社 電験二種計算の攻略」や「電気書院 キーワードで覚える二次論説」、「オーム社 電験二種完全攻略」がオススメです。

「電気書院 電験二種模範解答集」
5年分の過去問が掲載された標準的な過去問題集です。

「オーム社 電験二種計算の攻略」
計算問題対策として最適です。「電気書院 キーワードで覚える二次論説」と合わせ、二次試験のおおよその範囲を網羅できます。

「オーム社 電験二種・一種突破!計算力アップテキスト」
数カ月といった短い期間で、計算問題の対策を行う場合に最適です。「電験二種計算の攻略」と比較して、解説が分かりやすく、問題が厳選されています。このため、一次試験に受かった後など、短い時間で二次試験の計算問題の対策を行う際に最適です。一方で、1年かけて対策する場合は、網羅性の観点から「電験二種計算の攻略」まで使用するほうが安心です。

「電気書院 キーワードで覚える二次論説」
論説問題対策として有効です。「オーム社 電験二種計算の攻略」と合わせ、二次試験のおおよその範囲を網羅できます。論説問題は短い時間で勉強が可能です。

「オーム社 電験二種完全攻略」
計算問題と論絶問題の両方とも、おおよその範囲を網羅できます。
「電気書院 キーワードで覚える二次論説」や「オーム社 電験二種計算の攻略」に掲載された問題と多くの被りがあります。このため、「電気書院 キーワードで覚える二次論説」や「オーム社 電験二種計算の攻略」を利用した後に、復習用の問題集として活用できます。

学習法のまとめ

電験二種の学習は、まず電験三種の参考書で学習することが重要です。これらの参考書で、しっかりとした基礎を固めた上で、電験二種の過去問演習を行うことが、結果的に最も効率的な学習法となります。詳細な王道の学習法の流れは上述の通りです。
電気系以外の出身であり、働かれている方の場合、取得までの期間は3~4年(2,000時間)が目安だと思います。「電験三種参考書での基礎固め」と「電験二種の過去問演習」がそれぞれ1~2年(1,000時間)ずつかかるイメージです。
以下では、上述したものを含めてオススメの参考書やwebサイトをまとめております。

オススメの資料(どうしてもイメージしづらい時)

■オーム社 マンガでわかるシリーズ
マンガで各題材が説明されています。このため、理解が進まない題材でも、比較的容易にイメージを持つことができるのではないかと思います。

マンガでわかる電気
マンガでわかる電気数学
マンガでわかる電磁気学

■YouTubeチャンネル Learn Engineering
動画で、様々な機械の仕組みを解説しています。誘導電動機など、見る機会が少ない方であっても容易に機械の具体的なイメージを持つことができるようになります。

www.youtube.com

www.youtube.com

■YouTubeチャンネル 東京電力グループ
重電関連の機器は普段目にすることがないため、なかなかイメージが難しいです。東京電力グループの公式YouTubeでは、クオリティの高い映像を用いてこれらの機器が説明されています。電験の参考書のみで学習をすすめると、イメージがつかない分野は丸暗記になってしまいがちです。各機器に関するイメージが持てると、暗記だけに頼る分野を減らすことができます。

www.youtube.com

オススメの参考書(基礎固め用)

■TAC出版 みんなが欲しかったシリーズ 電験三種
電気系出身でない場合は、電気に関連する基礎知識がありません。このため、これらの本に書いてある内容も初めは中々理解が進みません。電気系の知識の理解のために辛抱して何度も何度も読むと、スムーズに電験二種の過去問演習につなぐことができます。
電気系出身以外で、電験二種*10で何をしたら良いかわからない方は、とりあえずこのシリーズから始めるとよいと思います。もちろん、はじめは理解できないことが非常に多いです。しかし何度も読んでいるうちに、電験で求められている知識の概観が掴めてきます

みんなが欲しかった!電験三種 合格へのはじめの一歩 第2版 みんなが欲しかった! 電験三種シリーズ
みんなが欲しかった!電験三種 機械の教科書&問題集 第2版 みんなが欲しかった! 電験三種シリーズ
みんなが欲しかった!電験三種 電力の教科書&問題集 第2版 みんなが欲しかった! 電験三種シリーズ
2023年度版 みんなが欲しかった! 電験三種の10年過去問題集
みんなが欲しかった!電験三種 法規の教科書&問題集 第2版 みんなが欲しかった! 電験三種シリーズ
みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集 第2版 みんなが欲しかった! 電験三種シリーズ

■エコテクノ出版 電験三種超入門シリーズ
「TAC みんなが欲しかったシリーズ 電験三種」と同様の使用法です。電気系以外の方にも分かりやすく記述してありまる。特に法規科目に関する記述のレベルは、電験に関する参考書中で最も高い*11です。オススメの本ではありますが、在庫が少ないことが多いです。

電験3種超入門(電力・機械・法規篇)

オススメの過去問集

■オーム社 電験二種 計算の攻略
電験二種二次試験は計算問題と論説問題の二つに分類されます。このうち、計算問題の過去問を分野ごとにまとめなおしている問題集です。
この問題集は解説も丁寧で分かりやすいため、二次試験の計算問題対策に非常に適しています。後述の「電気書院 キーワードで覚える!電験2種二次試験論説問題」と合わせて学習することで、おおよその出題範囲を知ることができます。
ある程度の難易度であるため、この問題集の学習には、「電験三種用の参考書による基礎固め」が前提条件となります。

■電気書院 キーワードで覚える!電験2種二次試験論説問題
電験二種二次試験は計算問題と論説問題の二つに分類されます。このうち、論説問題の過去問を解説している問題集です。
前述の「オーム社 電験二種 計算の攻略」と合わせて学習することで、広範囲の学習を行うことができます。掲載されている過去問が少し古いという問題点もあるため、直近5年分の過去問が掲載された過去問集などと併用することが無難です。
この参考書を用いてスムーズに学習を行うためには、「電験三種用の参考書による基礎固め」と「電験二種一次試験の電力科目の過去問演習」を行っている必要があります。

■オーム社 電験二種完全攻略 二次試験対応 過去問240問を体系的に学ぶ
電験二種二次の問題を分野ごとにまとめなおしている参考書です。内容はコンパクトにまとまっているため、大学で電気系を専攻していた方などは、短い時間で対策できて適していると思います。一方、逆に大学で電気系を専攻していなかった場合は、解説がコンパクトで分かりづらいことが多いかもしれません。特に二種二次試験で計算問題を得点源としようとしている場合は、前述の「オーム社 電験二種 計算の攻略」で学習を進めることをオススメします。
この問題集で学習を行う上で、計算問題に関しては「電験三種用の参考書による基礎固め」を行っている必要があります。また論説問題については、それに加えて「電験二種一次試験の電力科目の過去問演習」を行っている必要があります。

■電力の15年間 電験2種一次試験過去問マスタ
電験二種一次試験の電力の過去問を15年分、分野ごとに掲載している過去問集です。
電力科目は、解答のために多くの知識を必要とする科目です。基本的な知識は、電験三種用の参考書で身に着けることができます。しかし、それらの参考書に記載の少ない分野もあります。このため、電力科目に関しては過去問を多く解くことが重要です。
また、電験二種二次試験「電力・管理科目」の対策は、電験二種一次試験の「電力科目」の知識が前提となります。このことからも、電力科目の多くの知識に触れられるこの過去問集はお勧めです。

2023年版 電験2種一次試験過去問マスタ 電力の15年間

他にも、知識が重要となる法規科目などについても、多くの過去問に触れることがオススメです。

2023年版 電験2種一次試験過去問マスタ 法規の15年間

オススメのwebサイト

■日本電気技術者協会 音声付き電気技術解説講座

jeea.or.jp
HPに無料で情報が公開されています。基本的な事項を理解する際の助けとなります。
■電気の神髄

denki-no-shinzui.com
元電気機器(変圧器)設計者で第一種電気主任技術者の方のメーカーの方のHPです。HPの著者の理解のレベルが高く、理論面に関しては市販の参考書よりも信頼できる面があります。参考書で式の導出の背景が分からない際などに参考になります。

■Webサイト こんとろラボ
制御理論に関することがまとめられています。二次試験の自動制御に関して、模範解答の記述に不明点がある際に解決に導いてくれます。対応する記事を探すのは大変かもしれませんが、制御工学に関してかなり網羅的です。

controlabo.com

オススメのYouTubeチャンネル

■ヨビノリ(予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」)
大学レベルの数学や物理に関する動画をアップロードしているYouTuberです。授業の分かりやすさは、かなりレベルが高いです。
電気回路を解くために必要な、微分方程式に関する知識などを学ぶことができます。

www.youtube.com

オススメの参考書(必要であれば利用)

参考書については「電験二種の学習に向いているか」の観点から、オススメ度として点数をつけています。
「オススメ度:★★★★★ 」としている本は、買って損はないと言い切れる本です。自分のように、独学で電験二種合格を目指される方にとってはかなり役に立つと思います。
■朝倉書店 エース電気回路理論入門
オススメ度:★★★★★
電気回路に関する、学部レベルの入門書です。簡単な微分方程式やベクトルの知識があれば学習を進めることができます。
電験の学習では、「フェーザ表示」や「テブナンの定理」などの知識が前提とされます。しかし電気系の専攻以外では、中々このような知識に触れる機会は少ないと思います*12。電験の問題や参考書も、これらの知識を前提としています。このため、この教科書で学習しておくことで、電験の学習がかなりスムーズになります。

エース 電気回路理論入門 (エース電気・電子・情報工学シリーズ)

■オーム社 電気設備技術基準・解釈
電気設備技術基準・解釈 オススメ度:★★★★★
電気事業法関係法令集 オススメ度:★★★☆☆
電験二種一次試験「法規」の学習の際には、電気関係の法規が手元にあると便利です。法規の中でも、「電気設備技術基準(電技)」に関する知識は必須となります。このため「オーム社 電気設備技術基準・解釈」などの電気設備記述基準を掲載した本は、法規の学習に不可欠です。
ただし、この本を購入せずとも、法令である「電気設備技術基準」はe-govで無料で公開されています。またこの法令の十分条件を示した「電気設備技術基準の解釈」も経済産業省のHPで無料で公開されています*13。このように内容はネットで無料で閲覧できます。しかし電気設備技術基準については、本がある方が何かと学習を進める上で便利です。

elaws.e-gov.go.jp

また、「オーム社 電気事業法関係法令集」は電気事業法を掲載しており、同様に役に立ちます。ただし、電気事業法に関して問われる頻度は、電気設備技術基準ほど高くはありません。このため、e-Govで十分対応できると思います。

elaws.e-gov.go.jp

2021年版 電気設備技術基準・解釈
21-22年版 電気事業法関係法令集

■電気書院 これだけシリーズ
オススメ度:★★★★☆
過去問が丁寧に解説されています。このため、電験三種レベルから電験二種二次試験レベルへの橋渡しに最適です。
「電験二種 計算の攻略」などの二次試験の問題集を読んでも、なかなか理解できない場合に利用を検討してみるといいと思います。
機械・制御の論説問題は出題が少ないため、購入は不要と思います。

電験2種二次試験これだけシリーズ これだけ機械・制御 -計算編- 改訂新版
電験2種二次試験これだけシリーズ これだけ電力・管理 -計算編- 改訂新版
電験2種二次試験これだけシリーズ これだけ電力・管理 -論説編- 改訂新版

■ナツメ社 モータ技術のすべてが分かる本
オススメ度:★★★☆☆
機械科目では、モータの問題が多く出題されます。イラストが多いため、モータの構造のイメージがあまりつかない際に参考となります。

史上最強カラー図解最新モータ技術のすべてがわかる本

■EnergyChord 徹底解説 電動機・発電機の理論
オススメ度:★★★★★
電動機・発電機の理論について解説してあります。電験三種レベルの知識があれば読めると思います。この本に記載されている内容が理解できれば、電験二種二次試験の機械・制御の回転機の問題はほとんど解けるようになります。
著者は回転機の専門の技術者でありません。このため、逆に回転機の教科書にしては珍しく、簡潔でわかりやすい記述になっています。非常に電験の学習向きの本だと思います。

[改訂版]徹底解説 電動機・発電機の理論 (EnergyChord)

■OHM大学テキストシリーズ
大学学部生向けのテキストシリーズです。分野によって内容の質にばらつきがあるように思えます。
「白井康之著 電気機器学」に関しては、内容がまとまっており質が高いと感じます。上記の「電動機・発電機の理論」とどちらがいいかは好みの問題だと思います。個人的には、「電動機・発電機の理論」の方が好きです。
一方、「電力システム工学」「電力発生・輸送工学」は、内容が薄く購入を後悔しました。気になる場合は、近くの公立図書館で取り寄せるのがよいと思います。

電力機器学 オススメ度:★★★★☆
電力システム工学 オススメ度:★★☆☆☆
電力発生・輸送工学 オススメ度:★★☆☆☆

■オーム社 大写解 高圧受電設備:施設標準と構成機材の基本解説
オススメ度:★★★★☆
イラストや写真などで、設備について初歩から丁寧に説明されています。このため実務で高圧受電設備に関わっていなくても、これらの設備のイメージを掴めるようになります。電験二種ではこれらの設備の知識が必要なため、非常に役に立ちます。

■オーム社 電力系統
オススメ度:★★★★★
電力系統に関する本です。内容が簡潔で分かりやすいです。また、図書の範囲と、電験の出題の傾向が非常に近いです。このため、非常に電験の学習に向いた本だと思います。
後で紹介する「保護リレーシステム工学」や「6kV高圧受電設備の保護協調Q&A」を買う前に、この本に出会っておきたかったです。

電力系統

電力系統

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■オーム社 %Z法と対象座標法の入門
オススメ度:★★★★☆
書名のとおり%Z法と対象座標法に関して紹介してある本です。二種二次試験で対象座標法の出題割合は低いです。もし対象座標法を理解したいと思う場合は、対象座標法をわかりやすく解説してある数少ない本だと思います。私は電験二種の受験後に、この本を知って購入しましたが、早く出会いたかったです。出題頻度を考える対象座標法の理解を割り切るのもアリと思います。

図説%Z法と対称座標法の入門

■電気学会 保護リレーシステム工学
オススメ度:★★☆☆☆
重電メーカー社員らによる図書です。保護リレー(継電器)についてイメージを掴めるようになります。図書全体を理解するのは、ややオーバーワーク気味です。しかし、保護リレーに関する問題の理解の際には、手元にあると心強い一冊となります。

■図説 6kV高圧受電設備の保護協調Q&A 電気現象から見た地絡・短絡の解説
オススメ度:★★★☆☆
保護リレー(保護協調)について書かれた本です。実務的な内容も多く、電験の出題範囲から外れる内容もありますが、地絡/短絡保護の理解を大きく促進してくれます。

■コロナ社 フィードバック制御入門 システム制御工学シリーズ
オススメ度:★★★★☆
二次試験の機械・制御で古典制御の問題を選択することを考えている方にオススメの教科書です。内容としては、試験の出題範囲と比較して必要十分となっています。大学の学部生向けの教科書のため、ややオーバーワーク感はあります。制御工学関連では有名な教科書シリーズのうちの一冊です。

フィードバック制御入門 (システム制御工学シリーズ)

■電気学会 発電・変電/送電・配電
オススメ度:★★★★☆
手元に置いておくと安心します。電力科目の問題の理解ができないときは、参考になります*15。特に石炭火力に関する節炭器などに関してよくまとまっているとも思います。

発電・変電

発電・変電

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送電・配電

■丸善出版 電力技術の実用理論 発電・送変電の基礎理論からパワーエレクトロニクス応用まで
オススメ度:★★☆☆☆

手元にあると非常に安心します。理論に関してこの本の信頼感は計り知れません、同期機の突発三相短絡試験の理解などに生かせる場面はありました。しかし、そもそも活用の場面は少なかったです。また価格が高いです。もとはとれてません。

おわりに

この記事では、電験二種のオススメの学習法と参考書を紹介しました。この記事が電験二種の学習や参考書選びの助けとなれば幸いです。

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*1:合格を目指す、多くの電験受験者が結果的に行うことになる学習法です。

*2:電力、インフラ、エンジニアリングメーカー、重電メーカー、工場の設備管理など

*3:機械系の修士修了です。例えば、このブログでも、次のような機械工学用の教科書の紹介をしております。

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*4:正確な情報に関しては、電気技術者試験センターHPを参照ください。

*5:微分積分、ベクトルなど

*6:

*7:私は、電気系でなく機械系です。

*8:私は、「電験三種超入門」を1年半で5周しました。

*9:実務でも役に立つのではないかと思います。

*10:三種も含む

*11:個人出版の参考書のため、文章の途中で卑猥な文言が入っていることがあります。しかし、法規科目の範囲にはそのようなものはありません。

*12:機械系の私は、この本を学習するまで知りませんでした。

*13:一般的に、法令でである法律、省令、命令などはe-Govで公開されています。また、これらの法令の十分条件を示した、解釈などは各省庁のHPにて公開されれています。

*14:私は利用しておりません。

*15:ネットで検索すると知りたい情報が出てくることが多いですけれども…

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