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【就職活動】理系の学校推薦を最も有効に利用する方法【その2】

 この記事では、理系の学生にとって有利な学校推薦制度の利用方法を紹介します。

 前回は、理系の学校推薦制度の概要に関して紹介しました。今回の記事では、学校推薦制度の利用方法の一例を紹介いたします*1

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 本記事の内容には、社会的には不適切と思われる内容もあります。このため、実際の就職活動における実行するかの責任は、各人でおとりください。就活は各大学、専攻、個人によって最適解が大きく異なります。このため、具体的には研究室の先輩に話を聞くのが一番いいと思います。

 結論を簡単にまとめると以下の通りです。
 就職活動では、紳士に誠実に行動したほうがよいです。しかしながら、学校推薦制度関連に関してだけは、人の心を忘れて自分のためだけに行動した方がよいです。学校推薦制度を過度に信頼し、誠実な態度で就職活動に臨んでも、損をするのは学生本人だけです。

人の心を忘れる

 まず、人の心を忘れることが重要です。冒頭でも挙げた通りです。学校推薦制度に関してのみは、自分の利益を優先して行動しましょう。学校推薦制度は、複雑で誰も全容を把握しきれていません。だからこそ、確実かつ誠実な行動というものは存在しません。就職は人生の大きな決断の一つです。このため、学校推薦制度に関しては、自分本位で動くことが重要です。

 一方、理系に関すると、通常の就活の場面では誠実さは非常に重要です。後にも述べますが、理系の推薦制度は大きく分けると、以下の4つの段階に分けられます。多くの段階で、基本的には、誠実さが重要となります。段階①「企業への応募(エントリー)」段階②「説明会/OB訪問/工場見学」、段階③「技術面接」、段階④「最終人事面接」。

 人としての誠実さは重要です。しかし、推薦制度や就活スケジュールはかなり複雑です。このため、推薦制度に関してのみは、自分本位な動き方が重要となります。

 まずはこの記事の前提と、前提となる知識をいくつか紹介します。

前提

 前提は以下のように、2つあります。このような前提は、機械系などであれば多くの場合で成り立つと思います。
 1つ目として、行きたい業界が決まっていたり、面接準備などは終えているということです。
 2つ目は、推薦応募で1~4社受けると内定を得られるような業界ということです。

 行きたい業界の多くの企業に推薦がある場合は、推薦応募で1社を受けるのは当然です。
このため、この記事では、どのようにして推薦応募で2~4社受けるかという観点でTips的な方法を紹介します。  

 次に前提となる知識を紹介していきます。

選考の種類

 技術系の選考には「自由応募選考」と「推薦応募選考」の2つがあります。学校レベル、専攻レベルの推薦応募選考の実態は、ほとんど自由応募選考と同一と考えるのが就活上は良いと思います。研究室のコネもごく一部ありますが、通常、修士までについてはほとんど無視して良いです*2

内定までの道のり

 内定までの道のりは、大きく分けて4つの段階に分けられます。段階①「企業への応募(エントリー)」、段階②「説明会/OB訪問/工場見学」、段階③「技術面接」、④「最終人事面接」です。各段階の役割について説明します。

段階①「企業への応募(エントリー)」

 エントリーシートを出す段階です。企業の人事に対して応募するための段階です。段階②と順番が入れ替わることがあります。

段階②「説明会/OB訪問/工場見学」

 技術面接に繋いでもらうための段階です。若手社員と交流し、連絡先を交換します。若手社員との交流がなく、段階①のプラットフォーム(マイナビリクナビなど)上でのやり取りのみとなることもあります。

 推薦で面接を受けようと思った場合は、若手社員に連絡します(または、プラットフォームを利用して連絡します)。次に技術面接に進みます。

段階③「技術面接」

 技術面接は、1~2回行われます。一回目は課長レベル、二回目は部長レベルというイメージです。一緒に働いても大丈夫な人間かという観点から採点されるような気がします。

この段階で、大学からの推薦状を取得することを求められることもあります。推薦状取得はかなり面倒なので面倒です。

 俗にいう面接練習は、この技術面接のためにあるといっても過言ではありません。この技術面接を突破すると、内定にかなり近づきます。

段階④「最終人事面接」

 最後に人事による面接があります。ほとんど当たり障りのないことを聞かれます。不合格となる確率はかなり低いです。

 ここでのポイントは、「最終人事面接では、ほとんどの場合で事前での推薦状の提出が必要なこと」です。このため推薦を利用した就活では、この最終人事面接のタイミングがかなり重要となります。

 最終人事面接のタイミングは、学生が決めることができません。このため、結果的に企業に対して不誠実な態度を取ってしまうことがあります。しかしながら、就活は人生の大きな要因の一つですから、企業の人にドンドン叱られていく位のメンタリティで良いと思います。

番外編「学内での推薦取得」

 学内での推薦取得タイミングも大学、専攻によってまちまちです。このため、一般的なことは言えません。しかしながら、以下の事項を中心に考えて、推薦取得に関して考えると良いと思います。
学内での推薦取得校の決定時期
・志望企業のどの面接時点で推薦を取得できるか*3
・推薦取得をして落ちた場合、二度目の推薦取得の時期はいつになるか。
・推薦状の発行を依頼してから、実際に発行されるまでの期間はどのくらいかかるか*4
・学内での推薦取得の決定方法

次に、心がけを紹介します。

心がけ

 就活では、通常の生活では不要なことを心がけないといけません。ここでは、心がけるとよいことを7個紹介します。

①工場見学、OB訪問、説明会にたくさん顔を出す。

 推薦制度の場合、メーカーは少ない面接回数(労力)で内定が出ます。
ただし、面接までたどり着くには、工場見学やOB、説明会を通して、企業と接触することが必要なことが多いです。このため、接触を増やせる機会は沢山活用すると良いと思います。
 また、何社か受ける場合、選択肢として、興味のある企業工場見学はできるだけ多く顔を出しておくと良いと思います。

②第一希望はできるだけ早く選考を進める。

 事実上、就活スケジュールなど存在しません。校内における推薦取得スケジュールを気にせず、選考を進めるとよいことが多いです。
 選考が早く進められない場合は、第二希望、第三希望のための工場見学/説明会参加を重ねることが重要です。また、最悪第一志望を、マッチングなどを行っている選考の時期の早い企業に変えるほうが、就活は進めやすいです。

③自由応募を受ける。

 志望している企業内で、自由応募でしか受けられない企業は選考をすすめるほうがよいです。自由応募の場合はルール上、受諾しなくても内定辞退はいつでもできます
 ただし、推薦と自由が選択できる場合は推薦で受けたほうがよいです。推薦で受けることが可能な大学や専攻から、自由応募で受けると落ちる確率がかなり高くなります。

④推薦応募で複数企業を並走させる。

 そもそも、推薦を提出していても企業側は、学生を落とします。推薦提出予定の場合は、大学との関係も気にすることなく、企業側も学生を落とすことができます。このため、推薦前提の選考を複数企業で並走させると良いです。途中で辞退すればよいです。
 ただし、工場見学などをおこなっている、応募可能な会社をすべて受けてはいけません。辞退すると、もう一度応募することはできないからです。面接などの、選考のタイミングは選べません。第一希望が後回しの場合、他の企業に推薦状提出を求められるなどのために、進め方が難しくなります。

⑤真摯に生きる

 同じ大学のリクルーターがいる場合、真摯に話してもいいことがあります。また、推薦の範囲外では、就職活動では真摯に行動した方が良い面が多いと思います。

⑥怒られる

 推薦未提出状態で推薦制度で内定、または技術面接で合格をもらいます。この状態で内定を辞退するとかなり怒られます
 しかし、企業側は容赦なく推薦制度利用の学生をおとします。つまり、お互い様です。 怒られたとしても、社会人で採用ノルマ、面子もあるのでしょうから仕方ないことです。これは、推薦制度が悪いと思うしかないです。

⑦研究への力の入れ方を抑える

 担当教員の機嫌が損なわれても、研究への力の入れ方はセーブしたほうが後悔をしなくて済みます。就活は6月中には終わることが多いです。就活は、人生に大きな影響を与えるため、多くの時間を割いたと思えた方が納得感が得られます。

 最後に、ケーススタディ的なものを紹介します。

ケーススタディ

 さいごにケーススタディ的なものを4件紹介します。「仮定」と「考えられる行動の一例」を紹介します。常識的に思えることも多いと思いますが、参考としていただけたらと思います。

ケーススタディー① 技術面接ストックの追加

仮定:現在4月上旬であり、第一希望の面接が4月下旬、推薦取得が5月中旬である場合。 考えられる行動の一例:
 4月下旬は、就活がかなりすすんだ段階です。
 また、仮定では推薦取得前です。このため、もう一社追加で技術面接を申し込むのがよいです。追加で技術面接を依頼する際にも、推薦を提出予定と伝えておきましょう。先述のように、推薦制度の利用できる企業のストックをもっと置くことが重要です。

ケーススタディー② 真摯に生きる作戦

仮定:就活開始前で、第一希望はA社、第二希望はB社である。A社とB社は同業。B社には研究室の先輩が務めている。
考えられる行動の一例:
 この場合は、まずA社、B社ともに、工場見学/OB訪問に行きます。これによって、技術面接の前提条件を整えます。
また、A社がダメだったタイミングで、B社の面接をセッティングしてもらえないかジャブを打ってみます。OKそうな場合は、一旦B社の選考を止めます。A社がだめだった場合は、B社の技術面接を申し込みます。

ケーススタディー③ 人の心を忘れる

仮定:第一志望はC社、第二志望はD社。D社の技術面接が、C社よりも早い時期に行われる。校内で推薦取得は未。
考えられる行動の一例:
 まず、どちらの会社にも、推薦は取得予定と伝えます。C社、D社ともに、人事面接の前には推薦提出を求められます。D社には、推薦取得予定だが、取得手続きに時間がかかっているといって時間かせぎをしましょう。
 実際に、推薦状的なものの取得手続きはかなり時間(1週間程度)がかかります。C社に合格した際は、D社の選考は辞退しましょう。
 D社の人には基本的に怒られますが、みんな同じようなことをして怒られています

おわりに

 この記事では、理系の推薦を利用する方法を紹介しました。この記事の記載事項が、お役に立てれば幸いです。
 究極的には、人生は自己責任です。就職活動は人生で大きな影響を持ちます。みなさんの就活が、後悔のない納得できるものとなればと思います。

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*1:下書きをしていて、公開していなかった記事を修正し公開しました。

*2:研究室の教授の繋がりで、就職する方は修士でもいます。しかし、そのような場合は明示的にわかります。

*3:推薦取得できる時期が、遅いほうが、いつまでも推薦取得予定ということを伝えられるため就活が行いやすいです。

*4:推薦状発行は、3日~2週間かかったりすることもあります。