【実用化例でみる】超伝導技術は何がすごい?【リニア】【核融合】【MRI】

モータ・アクチュエータ

超伝導(超電導)技術について紹介します。

超伝導(超電導)という言葉は、「超電導リニア新幹線」などで何かと耳にする言葉です。このため超伝導技術は、何かすごい技術という感じはします。

しかしながら、超伝導の具体的なメリットや技術的に扱いが難しい点については、なかなかイメージがつきづらいものです。

そこでこのページではまず、超伝導とは何かについて紹介します。次に、超伝導技術の具体的なメリットを紹介します。最後に利用例を紹介します。

そもそも超伝導とは?

超伝導現象とは、「電気抵抗がほとんど0になるという現象」です。

学校の理科の授業で、オームの法則を習います。

オームの法則とは、以下のような物です。

(電圧)=(電気抵抗)×(電流)

このオームの法則に現れる電気抵抗は、あらゆる物質に存在します。

しかし特定の物質は、特定の条件であれば、電気抵抗がほとんど0となります。

このように電気抵抗が0となる現象が、超伝導現象です。

超伝導は、超電導と表記されることもあります。

「超伝導」という表記は、主に理学的な研究で用いられます。また、「超電導」という表記は主に工学的な応用の場合に用いられます。

超伝導のメリット

超伝導現象は、電気抵抗が0となる現象です。

この超伝導現象が、注目されるのは大きな利点があるからです。

超伝導現象の代表的な利点は、以下の4点に整理できます。全ての利点が抵抗が0となるために実現されます。

超伝導技術の各適用先によって、注目する点が異なります。

  1. 抵抗が0であるため、ジュール熱による損失が少なく省エネである。
  2. ジュール熱による発熱がないため、ジュール熱用の冷却構造を省略しても大電流を扱える
  3. 冷却構造を除くと機器単体は小型化できる。
  4. 大電流を扱えるため、アンペールの法則で強い磁場を扱える

強力な磁場が扱えるため、超伝導技術を用いた電磁石を、「超伝導電磁石」と呼ばれます。

超伝導技術のデメリット

超伝導技術にも、下記のデメリットがあります。

・超伝導物質の冷却が必要であり、冷凍サイクルの稼働のために圧縮機などが必要である。

超伝導現象を発生させるためには、-269℃の液体ヘリウムなどを用いて冷却することが必要です。

この冷却のための装置が必要となるのが、超伝導技術の課題です。

このため、より高い温度で超伝導現象を起こす物質の研究が続けられています。

超伝導技術の適用例

具体的に、超伝導技術の適用例を以下の表にまとめています。

超伝導技術の適用先の実用化度合も併記しています。「シリコン単結晶引き上げ装置」「MRI」「超電導リニア新幹線*1」は実用化されています。

超伝導技術の適用先

以下では、具体的な各応用例について紹介しています。

超電導リニア新幹線

超電導リニア新幹線は、強力な磁場の力を利用して車両を浮上させ前進させています。

従来の鉄道は、鉄の車輪で車体を支えていました。その役割を超電導電磁石が担います。

時速500kmの高速走行に対応するため、リニア超電導新幹線では車両を浮上させます。

この浮上や進行の際に、強い磁力を用いています。そして、この強い磁力は、超伝導材料に流れる大きな電流によって生じます。

以下の動画は、JR東海による超電導リニア新幹線の紹介動画です。

MRI

MRI(核磁気共鳴画像法)は、医療用に用いられます。

調べたい物質の水素原子の分布を見ることができます。

水素原子の分布を見る際に、強い磁場が必要となります。

この強い磁場を起こすために、超伝導技術が用いられています。

以下の動画は、MRIの説明資料となります。

単結晶シリコン引き上げ装置

単結晶シリコン引き上げ装置は、単結晶シリコンを製造するための装置です。

現代の情報化社会は、半導体が欠かせない存在です。半導体と同様に、半導体の素材である単結晶シリコンも欠かせない存在です。

単結晶シリコンを作成する際には、シリコンを溶融させます。

シリコンは、強い磁界の中に入れられることで溶融します。

この強い磁界を作製する際に、大電流を低損失で扱える超伝導技術が適用されます。

このようにスマホの中の半導体の製作にも、超伝導技術が利用されています。

以下の動画のようにシリコンは、超伝導技術を用いて溶融されています。

シリコンウエハ製造装置は、半導体製造装置に分類されます。以下のページでは、日本の半導体製造装置をまとめています。

核融合炉

核融合炉は、核融合反応によって熱エネルギーを取り出すシステムです。

太陽の輝きは、核融合反応によって実現されています。

実用化はされていません。国際的に、核融合反応を確認するための施設が建設されているところです。

核融合炉には、高い温度のプラズマが必要です。

この高い温度のプラズマを生み出すために、強力な磁場が用いられます。

この強力な磁場を生み出すために、超伝導技術が用いられています。

以下のページでは、核融合炉ではなく核分裂による炉をまとめています。

その他の適用先

その他の適用先として、超電導送電、超電導発電機、超電導電動機などがあります。

これらの用途では、技術は実現しているが、費用面に課題があり実用化にいたっていないものが多いようです。

以下に、東芝が開発している超伝導モータの動画を示します。

まとめ

このページでは、超伝導技術について紹介しました。

超伝導現象は、モノの電気抵抗が0となる現象です。

このように電気抵抗が0となることで、「損失が減ったり」、「大きな磁場を発生できたり」、「機器を小型化できたり」と多くのメリットがあります。

このような超伝導現象のメリットを求めて、実際に超伝導技術はいくつかの製品に適用されています。

*1:営業路線は未開業

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