メーカー各社の技報ページのまとめ【技術者採用/平均年収/社長の経歴の関係】

技術系業界情報

このページではメーカー各社の技報(テクニカルレビュー)が公開されたページへのリンクをまとめています。

技報を見ると、その企業が技術的にどのようなことをしているかを知れる楽しさがあります。どの企業が、技報を活用しているかを確認するのか確認するのは手間であるため、リンクをまとめました。まとめた企業の中には、いくつか技報がなかったり、廃止した企業もあります。

また企業を紹介した表の下に、技報と技術者採用に関する事項を記載しています。

本ページに記載された情報をご活用いただけますと幸いです。

技報のリンクまとめ

技報とは技術報告書やテクニカルレビューのことです。企業が技術開発の成果を公表する報告書です。

技報のリンクを以下の表にまとめています。

技報と合わせて、平均年収*1と社長の学歴を参考のために併記しています*2。これらの情報は、その企業で働くことを通して、技術者がどの程度社会に貢献ができるかの代理指標となります。

平均年収は、その企業で働くことで社会に対して果たせる貢献を測る代理指標です。年収が高いほど社会に大きな貢献ができることが分かります*3

社長の学歴は、その企業で出世しやすい属性の代理指標です。出世するほど企業を通して社会に大きな貢献ができるとすると、社長が理系である場合、技術者がより社会に大きな影響を与えることができると推測できます*4

表. 各企業の技報(企業名が各企業の技報へのリンクとなっています。)

業種 社名 平均年収 社長の学歴
自動車OEMトヨタ自動車1,200万円早稲田理工学・学士
自動車OEM本田技研工業1,000万円広島大工学・修士
自動車OEM日産自動車1,000 万円文系・学士
自動車部品デンソー1,000万円京大工学・学士
鉄鋼日本製鉄1,200万円MIT工学・博士
鉄鋼JFE1,100万円文系・学士
鉄鋼神戸製鋼950万円文系・学士
総合重機械三菱重工950万円文系・学士
総合重機械川崎重工900万円東大工学・学士
総合重機械IHI900万円東大工学・学士
総合重機械住友重機械900万円京大工学・学士
FAキーエンス2,300万円文系・学士
FAファナック1,400万円東大工学・修士
半導体製造装置東京エレクトロン1,400万円文系・学士
半導体製造装置レーザーテック1,500万円早稲田理工・修士
建機コマツ900万円京大工学・修士
建機クボタ900万円東大工学・学士
電機日立950万円京大理学・修士
電機ソニー1,200万円文系・学士
電機パナソニック900万円京大工学・修士
電機三菱電機900万円文系・学士
電機東芝900万円甲南大理工学・学士
空調ダイキン850万円文系・学士
プラントエンジニアリング日揮900万円文系・学士
プラントエンジニアリング千代田化工建設950万円東大工学・学士
工作機械DMG MORI850万円東大工学・博士
化学AGC1,100万円東大工学・博士
化学旭化成950万円文系・学士
化学富士フイルム1,100万円文系・学士
化学三井化学1,100万円文系・学士
インフラ東京ガス1,200万円東大工学・学士
インフラ大阪ガス1,200万円京大工学・学士
インフラ中部電力1,200万円文系・学士
インフラ関西電力1,100万円京大工学・修士
インフラ東海旅客鉄道1,200万円文系・学士
インフラ東日本旅客鉄道1,000万円文系・学士
総合商社三菱商事2,000万円文系・学士
総合商社伊藤忠商事1,800万円文系・学士
総合商社三井物産1,800万円文系・学士

技報の効果(技術者の採用力向上)

上記の表で各社の技報へのリンクの一覧を示しました。

技報(以下、単に技報)とは技術報告のことです。企業が技術開発の成果を公表する報告書です。

そして技報の効果の一つに、技術者の採用力向上があります。

技術者採用の重要性

企業は利益を上げることが目的の一つです。

この企業の目的を達成するために必要な資源としては「①人、②物、③金、④情報」があるという考え方があります。

このように、人材採用は企業の活動に必要です。また特に技術者は労働市場における絶対数が少なく、採用力の向上には独特なルートを抑える必要があるため、採用の難易度が高いです。

技報はこのような中で採用力の向上に寄与すると考えられます。

技報が採用力向上に繋がる理由

人には積み上げた努力を活かしたくなる性質があります。このような効果を、サンクコストと言います。

つまり研鑽に励んだ優秀な技術者ほど、多少待遇が悪くても技術的な仕事を求める性質があります。

技報は、企業が継続に技術者が必要なことを間接的にアピールできます。このため技術的な仕事を求める優秀な技術者へのアピールとなり、採用力の向上へと繋がるのです。

技報以外の方法

「技報」の他にも「大学との共同研究」、「学会活動」、「HPによる技術公開」、「SNSでの訴求」、「大学OBによる口コミ」が、程度こそ異なりますが、技術者の採用において同様の働きをします。

下の図に各媒体の効果を、伝達できる「情報量」×「到達度」としてグラフ化しています。円の大きさはコストの低さを表しています*5

各コストなども考慮しながら、これらの手法をうまく組み合わせて活用することが、技術力の訴求を通じた採用力の強化に繋がると考えられます。

例えば日立製作所の日立評論は、当初「雑誌」という形でしたが、現在では「HP上のサイト」として形を変えています。

基本的には「大学OBによる口コミ」が効果的にもコスト的にも最も有効と考えられます。しかしながら、この方法では効果が出るまでに数年程度の時間を要する点が難しい点です*6

図. 技術者採用における各媒体の情報量と到達度のイメージ

技術が先かビジネスが先か

技術はどこに宿るのでしょうか。

技術の特徴は再現性が高いことです。これは技術が科学を基礎としているからです。このような特性上、技術の習得には学習が必要です。

技術とお金

科学技術は小学校や大学などの様々な形で学習できます。また個人が趣味として技術を極めることは可能です。この意味では技術はビジネス抜きでも成立します。

一方、社会レベルの高度な技術は異なります。現代社会で人間が幸福に生きていくためにはお金が必要です。多くの人はお金で動くため、人間社会で高度な技術を継続させるには、ビジネスなり、税金なりでお金を集める必要があります。

つまり、技術を元に生きていくためには、ビジネスに役立つ必要があります。

ビジネスから見た技術

逆にビジネスから見た場合、技術には何が求められるでしょうか。

結論からまとめるとビジネスの観点では、「①模倣が難しく」、「②経済的な価値がある」ことが、技術には求められます

ここからの説明は、「世界標準の経営理論」を参照しています。この本は経営学博士が理論の厳密さに配慮して書いてあるため、技術者にとっても分かりやすくとても良い本です*7。 詳細を知りたい方は実際にご確認することもオススメです。

話を戻します。企業は儲けを目指します。儲けを増やすために必要なのは、他社と差別化することです。差別化するための一つの要素が、企業が持つ技術です。

ただし収益向上のために、技術であれば何でも役に立つわけではありません。次に示すように「①模倣が難しく」、「②経済的な価値がある」ことが重要です。

①模倣困難性

まずビジネスにおいて技術は、他社から見て模倣が難しい必要があります。これは模倣が容易であれば、他社も真似ができ収益が低下するからです。

ただし模倣の困難性は、技術だけでなくブランド力など他の要素と複合して考える必要があります。ソニーのカメラやトヨタの車を売るためには、技術だけでなくブランド力も必要なことからも理解できると思います。

②経済的な価値

次に収益向上に役に立つ技術は、経済的な価値があるものです。

ただし、経済的な価値のある技術が、収益性の向上の役に立つというのは同じことを繰り返しているだけです。どのような技術が経済的な価値があるかは難しいようです。

技術者としてのキャリア

技術者としてのキャリアと企業での労働の関係は、一般的には多様であり一概に述べるのが難しいです。それは各技術者の望むものや、各企業のビジネスモデルや風土が異なるからです。

ここではキャリア一般を考える上で参考となる以下の本を紹介するにとどめておきます。

まとめ

このページでは各社の技報をまとめました。

現在は労働市場がタイトであり、人材採用が困難です。このような時代において、技報は優秀な技術者にアピールする手段の一つと考えられます。

また技術者の目線では、「純粋な技術」以外にも、「企業で得られる年収」や「企業内で出世する属性」といった観点が、企業を選択する際には重要となります。

このページに記載された情報がみなさまの参考となれば幸いです。

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