飛行機はなぜ飛ぶ?飛行機の仕組みを直感的に理解する【エンジン】【翼】【簡単に】

機械工学

飛行機が飛ぶ理由を紹介します。

日常的な直感からは、飛行機がなぜ飛ぶのかはイメージできません。しかしながら、なぜ飛行機は飛ぶのだろうと疑問に思うことはよくあると思います。

このページでは、飛行機が飛ぶ仕組みを直感的に理解できるように紹介します。

結論からまとめると、飛行機が飛ぶためには次の2つの要素が必要です。

1.エンジン*1によって飛行機が前に進むこと

2.翼によって飛行機が浮くこと

以下では、飛行機が何故飛ぶのかを分かりやすく紹介します。

飛行機はなぜ飛ぶか?

飛行機が飛ぶためには、空に向かって上向きの力(揚力)が働かないといけません。

また、前に進むためには、飛行機に前向きの力が働かないといけません。

飛行機の翼は、空に向かう上向の力を発生させます。

またエンジン*2は、飛行機に前向の力を発生させます。

まとめると、飛行機が飛ぶためには次の2つの要素が必要です。

1.エンジン*3によって飛行機が前に進むこと

2.翼によって飛行機が浮くこと

飛行機が飛ぶために必要な機能

飛行機が飛ぶ原理をイメージする

以下のYouTube動画は、プロペラと翼を持ったおもちゃの飛行機が飛ぶ様子です。

おもちゃの飛行機でも、「①ゴムによって回るプロペラが前に進む機能」を果たし、「②翼が上向の力を発生させる機能」を果たしています。

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また以下の動画は、ライト兄弟による初飛行の様子です。

ライド兄弟の飛行機でも、「①エンジンによって回るプロペラが前に進む機能」を果たし、「②翼が上向の力を発生させる機能」を果たしています。

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また以下の動画は、ボーイング787による離陸の様子です。

現代の旅客機でも、「①ジェットエンジンが前に進む機能*4」を果たし、「②翼が上向の力を発生させる機能」を果たしています。

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以上の動画でも分かるように、、次の2つの機能によって飛行機は飛ぶことができます。

1.エンジン*5によって飛行機が前に進むこと

2.翼によって飛行機が浮くこと

つづいて、これらの2つの機能を果たすエンジンと翼について紹介します。

エンジンで飛行機は前に進む

エンジンで飛行機は前に進みます

エンジンには、レシプロエンジンとジェットエンジンがあります。いずれのエンジンにしても、エンジンを利用して気体を飛行機の後ろ向きに追いやります*6。逆に飛行機は、作用反作用の法則によって気体から前向きの力を受けます。

この前向きの力によって飛行機は前に進みます。

エンジンで飛行機は前に進む

次に、レシプロエンジンとジェットエンジンに分けて前に進む原理のイメージを紹介します。

レシプロエンジンで飛行機が前に進む原理

レシプロエンジンの場合は、エンジンでプロペラを回します。このプロペラが周囲の空気を後ろに追いやります。作用反作用の法則によって、逆にプロペラは周りの空気から前向きの力を受けます。この前向きの力によって、飛行機は前に進みます。

レシプロエンジンによって飛行機が前に進む原理は、竹とんぼが回りながら飛ぶの原理と似ています。竹とんぼが回り続けるための力を、エンジンによって連続的に与えるイメージです。

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ジェットエンジンで飛行機が前に進む原理

ジェットエンジンの場合は、エンジンから後ろ向きに高速で気体を排出します。逆にジェットエンジンは、前向きに進む力を受けます。この前向きの力によって、飛行機は前に進みます*7

ジェットエンジンによって、飛行機が前に進む原理は、風船が飛ぶ原理と似ています。風船が飛びときに、気体を噴出し続けるはたらきを、ジェットエンジンは連続的に行います。

以下の動画では、風船が後ろ向きに空気を排出することで前に進む様子を確認できます。

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また以下の動画では、燃料の燃焼によって生じた気体が後方に噴出することで、プラスチックの容器が前に進む様子を確認できます。

youtube.com

以下の動画は、米国国防省のジェットエンジンの試験の様子です。エンジンが固定されているため、エンジンは前に進みません。しかしながら、エンジンで燃料が燃焼し、生じた気体が後方に噴出することが確認できます。もし固定されていなければ、エンジンは前に進みます。

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翼で飛行機は浮く

翼で飛行機は浮きます

翼は、前から流れて来た空気を斜め下に受け流します。逆に、翼は空気から上向きの力を受けます*8

この翼が空気から受ける上向きの力によって、飛行機は空に浮かびます。

翼は飛行機は浮く

以下の動画では、白い煙によって翼に当たった空気の流れる様子が分かります。翼の前方(動画の右側)から入った空気は、翼によって左下向きに受け流されていることが分かります。逆に翼は、空気によって上向きの力を受けます。

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また以下の動画では、風洞内のおもちゃの飛行機が浮かぶ様子です。風洞内のおもちゃの飛行機は、前方(動画の右側)から風を受けます。この風を飛行機の翼で、後ろ下向きに流します。これによって、逆に翼は上向きの力を受けます。この上向きの力によって、おもちゃの飛行機は上に浮きます。

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翼の前から空気が流れ込まないと、翼には上向きの力が働きません。空気が止まっていると、翼には前から空気が流れ込んで来ない気がします。しかしながら、空気が止まっていても、飛行機が前に進むことによって、翼にとっては空気が前から流れてきていることとなります。

つまり、飛行機が飛び続けるためには、エンジンによって前に進み続けることが必要となります。

飛行機が飛ぶ理由のまとめ

ここまでの紹介でもイメージできるように、飛行機が飛ぶことができるの次の2つの機能によります。

1.エンジン*9によって飛行機が前に進むこと

2.翼によって飛行機が浮くこと

飛行機に力が働く図作成

なぜ飛行機は落ちないのか?

ここまで、飛行機はなぜ飛ぶことができるのかの紹介をしました。

しかし、飛行機に乗ると、「もしかすると、この飛行機は墜落するのではないのか?」と心配になることが多くあります。

実は飛行機が落ちない理由を説明することは、飛行機が飛ぶ理由よりも遥かに難しいです。

なぜなら、飛行機は常に墜落する可能性を秘めているからです。これは、自動車が常に自動車事故の可能性を秘めていることと同じです。

飛行機が墜落する理由は、大きく以下の3つに分けられます。

  1. 設計に起因するもの
  2. 運用に起因するもの
  3. 運転に起因するもの

以下では、それぞれの理由について紹介します。

設計に起因するもの

設計に起因するものとしては、「設計ミスによる故障」や「設計で許容しているレベルの故障」があります。

いずれにしても、「機械がいつかは故障すること」に起因します。

まず「設計ミスによる故障」ですが、こちらはイメージしやすいです。設計して想定した運用なのに、予期せぬ故障が生じることです。

このような故障としては、デハビラント社のコメットが有名です。コメットは世界初のジェット旅客機でした。しかしながら、機体の窓枠の応力集中と金属疲労によって3機墜落し、多くの命が失われてしまいました*10

以下の動画は、コメットの墜落に関する動画です。

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次に「設計で許容しているレベルの故障」です。こちらは設計者の方以外には、少しイメージしづらいかもしれません。

どのように上手く設計しても、機械の故障の可能性を0にはできません。なぜならば、材料のバラツキや組立のバラツキ、予期しない使用条件などは排除できないからです。そこで、どの程度の故障であれば許容できるかを、設計や運用の中で決めていきます。そして、実際の機械では、その許容範囲内での設計が行われます。

運用に起因するもの

運用に起因するものは、飛行機の定期的な点検のミスや補修ミスなどがあります。

飛行機は機械であるため、時間が経つと劣化したり、ちょっとした故障を起こしたりします。このため、点検や補修などを行う必要があります。

この点検や補修にミスがあると、飛行機が墜落する原因となることがあります。

このような故障としては、日航機墜落事故が有名です。ボーイング社の補修ミスが原因で、飛行機が墜落し多くの命が失われました。

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運転に起因するもの

運転に起因するものとしては、パイロットのミスやハイジャックなどがあります。

例えばアメリカ同時多発テロ事件は、ハイジャックによって起き、多くの命が失われました。

youtu.be

飛行機は落ちる

以上のように結論としては、飛行機が"絶対に"墜落しないということはありえません。

飛行機は、もちろん物理法則に従っており、ミサイルで撃墜されるなど設計で想定しない事象には対処できません。

また飛行機が人の社会で運用される以上、人のミスが積み重なると墜落します。

このように、飛行機が墜落しないと断言することはできません。飛行機を利用する際には、少ない可能性であっても、墜落するリスクを受容することが重要です。

それでは、飛行機が墜落するリスクはどの程度でしょうか?

飛行機に乗ることのリスク

航空機に乗ることのリスクを自動車事故、鉄道事故などと比較してみると以下の通りとなります

・鉄道事故は以下のページを参照しています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93%E4%BA%8B%E6%95%85(2000%E5%B9%B4%E4%BB%A5%E9%99%8D)
日本の鉄道事故(1950年から1999年) - Wikipedia
" href="#f-1e4f8bc0" name="fn-1e4f8bc0">*11 。

・日本のジェット旅客機死亡事故(1966~2000年):1,305人
・日本のジェット旅客機死亡事故(2001~2020年):0人
・日本の自動車死亡事故(1966~2001年):378,018人
・日本の自動車死亡事故(2001~2020年):114,281人
・日本の鉄道死亡事故(乗客乗員、1966~2000年):249人
・日本の鉄道死亡事故(乗客乗員、2001~2020年):118人
・日本の原子力発電所事故(直接的な原因, 1966~2020年):0人

航空機事故としては、多く利用されるジェット旅客機の事故としています。

2001年以降を考えてみると、いずれの乗り物でも事故が減っています。特に、ジェット旅客機の死亡事故は0件であり、通常の国内の飛行機利用では事故の心配はあまりいらないようです。

落ちない飛行機に乗るためには?

墜落しない飛行機に乗るためには何をすれば良いでしょうか?

結論からまとめると、飛行機に乗るなら「先進国の航空会社を利用する」ことが、重要です。また、非科学的なように思えますが、日頃から「飛行機が墜落しないことを祈る」ことも重要です。

まず先進国では人命を重視し、物質的にも豊かです。このため、整備などが行き届いている可能性が高いです。

また、日頃から飛行機が墜落しない方が良いと思う人が増えると、結果的に社会全体として、安全な航空機運行に割くコストの増大を許容できるようになります。航空機運行がより丁寧に行われるからです。つまり、長い目で見ると、祈ることが安全に繋がると思います。

まとめ

このページでは、なぜ飛行機が飛ぶかを紹介しました。

飛行機が飛ぶためには2つの要素が必要です。

  1. エンジン*12によって飛行機が前に進むこと

2.翼によって飛行機が浮くこと

また、飛行機が"絶対に"墜落しないということはないということも紹介しました。

日本を含めた先進国の航空会社を利用し、日頃から航空安全を祈る気持ちが、より安全な航空機運航につながると思います。

参考図書

◾️ジェットエンジンの仕組み ブルーバックス

ジェット・エンジンの仕組み―工学から見た原理と仕組み (ブルーバックス)

ジェットエンジンの仕組みや、ジェットエンジンが簡単には故障しないための設計事項が紹介してある本です。

大学で機械工学を学んだ方であれば楽しく読める技術レベルです。

◾️CAEのための材料力学 日刊工業新聞社

強度検討のミスをなくす CAEのための材料力学

安全率について紹介してある本です。材料の強度に関する工学的な扱いの雰囲気が把握できます。

◾️流れのすじがよくわかる 流体力学 朝倉書店

流れのすじがよくわかる 流体力学

工学系学生向けの流体力学の入門書です。流体力学に関することがおおよそ記載されています。

機械工学関連の他ページ

他にも機械工学に関連するページがあります。参照してもらえると幸いです。

motor-actuator.com

motor-actuator.com

motor-actuator.com

motor-actuator.com

motor-actuator.com

*1:レシプロ機の場合はプロペラ

*2:レシプロ機の場合は、プロペラ

*3:レシプロ機の場合はプロペラ

*4:タービンによって回るプロペラ(ファン)も前に進む機能の一部を果たします。

*5:レシプロ機の場合はプロペラ

*6:高校で物理を学んだ型の場合は、ジェットエンジンは運動量の保存で原理を考えるほうがストレートに理解で切ると思います。運動量の保存を考えると、「気体は後ろ向きの運動量を得て、飛行機は前向きの運動量を得る」ことがイメージしやすいと思います。

*7:ジェットエンジンの場合は、プロペラ(ファン)によって生まれる前向きの力を利用することがあります。具体的には、圧縮機(プロペラ、ファン)からの空気を、一部分だけそのまま後方の大気と合流させます。圧縮機からの残りの空気は、燃焼機へと向かいます

*8:細かく言うと、翼表面に空気から力が働きます。良く表面に働く力を足し合わせると上向きの力が働くこととなります。少し大雑把に考えると、翼の上方の圧力が低くなり、下方の圧力が高くなるため、それらを足し合わせると上向きの力が働くこととなります。翼表面の圧力が部分によって異なる理由については、実験的にそうなるからというのが直感的に理解する上で重要です。

*9:レシプロ機の場合はプロペラ

*10:次の失敗データベースが事故概要としては詳しい。 http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0071012.html

*11:カウント誤りあるかもしれませんが、おおよその傾向に変わりはありません。・自動車事故は以下のページを参照しています。https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1298268.html#:~:text=2019%E5%B9%B4%E3%82%88%E3%82%8A376%E4%BA%BA,%E4%BA%BA%E3%82%92%E4%B8%8B%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82&text=1970%E5%B9%B4%E3%81%94%E3%82%8D%E3%81%AB%E3%81%AF,%E4%BA%BA%E3%82%92%E4%B8%8B%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

・ジェット旅客機事故は以下のページを参照しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BA%8B%E6%95%85

・鉄道事故は以下のページを参照しています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93%E4%BA%8B%E6%95%85(2000%E5%B9%B4%E4%BB%A5%E9%99%8D)

(1950%E5%B9%B4%E3%81%8B%E3%82%891999%E5%B9%B4)

*12:レシプロ機の場合はプロペラ

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