【他分野から】電験三種に独学で(オススメ参考書)

資格

 今回の記事では、私が電験三種取得のために行っている勉強法や参考書を紹介します。電気工学専攻出身(電気系)でない人*1で、電験三種の取得を目指している方の参考になればと思います。

 電験三種は、第三種電気主任技術者の略称です。大まかに言えば、ビルの電気関係の設備の管理などを行うために必要な資格です。試験を受験するために必要な条件は特にありません。電験三種の試験を受けて合格すれば、誰でも電験三種を取得することができます。

 大学を出て、電力会社に就職する人電力会社に設備を納めるメーカーの人は、業務にこの資格(電験三種)が不必要であっても、会社で取得を推奨されることがあると思います。今回の記事が、電気工学専攻出身(電気系)でない私と同じ立場の人が、電験三種を学習をする際の参考となればと思います。

電験三種とは

 電験三種とは、第三種電気主任技術者の略称です。電気技術者試験センターが、試験を行い資格を認定しています。電験三種をもつことで、法律で定められた「電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物」の主任技術者として働くことができるようになります。

 また、電力会社やメーカーでは、業務に必要がなくとも、資格を取得することで、最低限の電気系の知識をアピールすることができるようになります。

電験三種の概要

 電験三種は、筆記試験に合格することによって取得できます。この試験を受験するために、条件は特にありません。
 電験三種の筆記試験は、五択のマークシート方式です。試験は、4科目から構成されます。おおよそ各科目とも、6割程度の得点で合格となります*2。また、科目毎に合格が決まります。直近の3年間で4科目全てに合格すると、電験三種を取得することができます。詳細に関しては、電気技術者試験センターのHPを参照ください。

  試験の概要について以下の表に示します。

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電験三種の概要。マークシート方式の4つの科目を受ける。各科目で合否の判定が行われる。6割程度の得点で合格となる。直近の3年で全4科目で合格すれば、電験三種取得となる。

電験三種の科目毎の学習の順序

 もし体系的に学習を進めていくのであれば、各科目は以下の順序で学んでいくのが理想と思います。

表.体系的な学習の順序

 1st2nd3rd4th5th
科目理論
(がっつり)
電力
(軽く)
機械
(がっつり)
電力
(がっつり)
法規
(がっつり)

 上記の順序で学ぶと効率がよいのは、以下の4つの理由によります。ただし理想と現実は異なり、各科目にとりあえず少しずつ手をつけて、教材を周回していくことが大事です。

  • 1.機械や電力に用いるため、理論の知識は初めに学習する。

  • 2.電気機械の実際の使用場面をイメージし学習しやすくするため、電力の分野を雰囲気だけ学ぶ

  • 3.機械の知識を電力に使用するので、電力の前に機械の知識を学習する。

  • 4.電力、機械の知識が必要なため、法規の学習は最後におこなうとスムーズに学習が行える。

電験三種の勉強に役立っている参考書

 以下では、電験三種を学ぶ際に役に立つ本・サイトを紹介します。特に、私と同様に電気系出身以外の人に参考になると思っています。


オススメの勉強法は、まず理論を学べる「電験三種超入門(理論篇)」を2周し、次に理論以外が学べる「電験三種超入門(電力・機械・法規篇)」を3周してから、最後に「過去問題集」を解いていくという「電験三種超入門シリーズ」を軸に進めていく方法です*3。この本は現在では絶版ですが、「TAC出版みんなが欲しかったシリーズ」でも同様の進め方が可能です。


 「電験三種超入門シリーズ」か「TAC出版みんなが欲しかったシリーズ」で電験三種の多くの範囲は網羅されています。しかし、一部過去問で分からない点があれば適宜インターネット上のサイトを参照して、「電験三種超入門シリーズ」や「TAC出版みんなが欲しかったシリーズ」の内容を補うとよいです。

  • 1.TAC出版みんなが欲しかった!電験三種(理論)
  • 2.TAC出版みんなが欲しかった!電験三種(電力)
  • 3.TAC出版みんなが欲しかった!電験三種(機械)
  • 4. TAC出版みんなが欲しかった!電験三種(法規)
  • 5. 過去問題集*4

みんなが欲しかった! シリーズ

出版社:TAC出版
オススメ度:★★★★★

 電気系でない方にとって最初に勉強する際には敷居が低い本です。中身もカラーで見やすいです。ただし分厚いの持ち運びが少し大変です。

電験三種超入門(電力・機械・法規篇)

著者:池田 裕
出版社:エコテクノ社
オススメ度:★★★★★

 電気系でない方にとって非常に役に立つ本。クセが強いが、非常に質の高い参考書である。気合が有れば、""この本、同じシリーズの(理論篇)*5及び過去問集の三冊で電験三種は合格できる""と思います。はじめは誰もが電気系の学問の世界観がよく分かっていないと思います。この本を何周も読んでいると、電気系世界観がジワジワとしっかり理解できるようになります。また、内容の量のわりに価格が安いです。

 著者の経歴は非常にユニーク*6ですが、電験一種も取得済みで勉強ができる人であるは確かです。全体として、完成度の高い本ですが、法規科目の完成度は非常に高いです。これは、著者が東京大学法学部を卒業しているということによると思います。法規科目だけのために買うのも、アリだと思います*7。

日本電気技術者協会 音声付き電気技術解説講座

オススメ度:★★★★★
 大学の教員による講座を無料*9で利用することができます。講座内容の範囲は広いため、理解が不足していると感じた分野を潰していくのに最適です。

徹底解説 電動機・発電機の理論

著者:横関政洋、山口正人
出版社:EnergyChord
オススメ度:★★★★☆
 モータや発電機の理論的な面に関して、初歩から学ぶことができます。一冊で内容が完結している点が良い面です。これらの内容は電験において、機械科目*10の一部に該当します。
 この本では、電気回路や電磁気学に関する初歩的な知識を前提としています。後で紹介する「エース 電気回路理論入門」を学んでいると、電気回路の面では非常にスムーズです。電磁気学の知識としては、オーム社の「マンガで分かる電磁気学」程度を抑えておくとよいです。 

史上最強カラー図解 最新モータ技術のすべてがわかる本

著者:赤津 観
出版社:ナツメ社
オススメ度:★★★★☆
 モータの構造等を多くの図を見ながら知ることができます。図書の知識が電験三種の合格に必須なわけではありません。しかし、他の本を読んでモータの構造がイメージできないときに、本書を参照することで、モータの構造をイメージできるようになります。

大写解 高圧受電設備

著者:田沼 和夫
出版社:オーム社
オススメ度:★★★★☆
 受電設備の構造などを多くの図を見ながら知ることができます。上記のモータの本と同様に、各設備のビジュアル面でのイメージを固めることができます。

エース 電気回路理論入門(エース 電気・電子・情報工学シリーズ)

著者:田沼 和夫
出版社:朝倉書店
オススメ度:★★★★☆
 電気回路の理論的な面を学習できます。大学1年程度の微分積分を修得していたら、理解することができます。フェーザ表示や等価回路の考え方は、電気系の知識の理解に不可欠です。この本は、これらの要素が非常に分かりやすくコンパクトに記述がまとめられていますし、それに対応した演習問題もあるので、とてもオススメできます。

電験三種過去問題集

出版社:電気書院
オススメ度:★★★★★
 電験三種に合格するという意味では、当たり前ですが過去問を解いていくことが重要です。
 電気系の知識が無いと、過去問を見ても何もわかりません。しかし、上記で紹介した「電験三種超入門(エコテクノ社)」や「みんなが欲しかった! シリーズ(TAC出版)」などである程度勉強した後は、ある程度過去問の内容がわかるようになると思います。

電磁気学 物理テキストシリーズ4

著者:砂川 重信
出版社:岩波書店
オススメ度:★★☆☆☆
 大学レベルのとても良い電磁気学の教科書です。理論科目の理解には、電磁気学に関する知識が欠かせません。このため、この教科書を習得することが、理論科目の攻略に大変役立ちます。しかし、電験三種の合格だけを考えるのであれば、この教科書の内容を理解することはオーバーワーク気味となります。このため、オススメ度は★2つとしました。

OHM大学テキストシリーズ

出版社:オーム社
オススメ度:★★☆☆☆
 大学向けの教科書シリーズです。「電気機器学」、「電力システム工学」、「電力発生・輸送工学」など、電験三種の理解の助けとなる科目が多くあります。
 特徴としては、「大学むけ教科書で記載量に対しての価格が高いこと」や「電気系学生が読むことを前提としていること」があります。このため電験三種取得レベルであれば、まず「みんなが欲しかった! シリーズ(TAC出版)」シリーズを読むのが、理解を速く進める面からもコストを低く納める意味でも良いと思います。

オーム社 マンガでわかるシリーズ

出版社:オーム社
オススメ度:★★★★☆
 扱われた題材に関してフンワリと内容を、マンガを交えながら知ることができるシリーズです。「電気数学」、「モーター」、「発電・送配電」など電験三種で必要となる知識に関するものが多くあります。


 教科書なんかで勉強している際に、対象についてあまりイメージが湧かないときにオススメです。まったく知識が無い状態でも、なんとなく雰囲気が分かるところまでの知識を得ることができます。独学で学ぶ際には、簡単なことでも己のみで理解を進める必要があるので役に立ちます。

まとめ

 今回は、電験三種の学習に役立っている本を紹介しました。何の本を利用して勉強するのか迷った場合は、とりあえず「電験三種超入門(電力・機械・法規篇)」や「みんなが欲しかった! シリーズ(TAC出版)」を利用するといいと思います。 今回の記事が役に立てばと思います。


 余談にはなりますが、電験二種向けには以下の2図書が参考書として鉄板です。これらの図書のレベルに到達するためにも、「電験三種超入門(電力・機械・法規篇)」や「みんなが欲しかった! シリーズ(TAC出版)」は、電気系以外の方にとって最適な選択肢のうちの一つであるといえます。また電験二種の取得も目指すのであれば、これらの参考書を予め手元に置いておくことで、電験三種に関しても勉強の道筋をつけやすくなると思います。

*1:例えば、機械系、材料系など出身

*2:年度によって合格点は変動します。

*3:残念ながら、2020年5月現在、電験三種超入門シリーズはアマゾンで売り切れとなっています。電子書籍であれば、シナノブックスで購入することができます。

*4:どこの出版社でも良い。

*5:

電験3種超入門(理論篇と数学・物理・化学)

電験3種超入門(理論篇と数学・物理・化学)

  • 作者:裕, 池田
  • 発売日: 2018/07/01
  • メディア: 単行本
 

 

*6:日本一の高校と言われる筑波大学付属駒場高校を卒業しています。また、東京大学法学部も卒業しています。その後、東京医科歯科大学を入学、中退し、設備管理の仕事をされているようです。

*7:著者は、実際の法令や省令を見ながら、法規科目を勉強することを推奨しています。個人的には、ネット上で公開されているこれらの法令をpdf化して、kindle端末で閲覧できるようにすると便利でした。

*8:私は、紙の本と電子書籍の両方を購入しています。

*9:2020年5月現在

*10:機械科目は、主に変圧器、誘導機、直流機、同期機、パワエレなどから主に構成されます。このうち、この本では、誘導機、直流機、同期機に関して学ぶことができます。

*11:月額課金制の読み放題サービス

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